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仮説を立てる(俳優がやるべき仕事について)

先週は「引き出す仕事」の多い週でした。

「このシーンはどんな会話をしてる? どんな事件が起こってる? それを経てあなた(の役)にはどんな変化が起こってる?」といったことを問い続ける時間。

「よーし構造は分かったね。で、あなただったらどうする? どうしたい? どう感じた?」と促し続ける時間。

「いいねぇ、それいいねえええ。そこがそうだとしたらここはどうなんだろうね、さあ、やってみよう」と尻を叩き続ける時間。

演技レッスンや授業やワークショップやカフェアドバイジングには、多かれ少なかれ、配分は違えど、この3つの時間が含まれています。

その中で大切なのが、それぞれの時間のあと。

「あ、もしかしたらこうかもしれない」
「今はこう思ってやったけど、そうじゃなくてこうかもしれない」

こう俳優が口にしたり閃いていたりするときが、稽古場で最もエキサイティングな、ブレイクスルーできそうな瞬間なのです。

そういうとき、僕が言う言葉は簡潔です。
「じゃ、やってみよう」。

○○かもしれない、違うかもしれないけどやってみるって思いながらやるときの俳優は「開いて」いることが多いです。
反対に「こうしてやる」とか「ここは絶対こう」とか決め打ちするときの俳優は「閉じてる」ことが多いです。

演技はオープンなコミュニケーションによって成り立つ側面が多いと思います。
うまくいくにしてもそうでないにしても、開いて、アンテナを張り巡らせてやってないとただの「自分認めて欲しいアワー」になってしまいがち。

そうならないために必要なのが「あれ? もしかして……」という発見と、「だったらこうかもしれない」という見立てと、「よし、それでやってみよう」という勇気。
ひとことでいえば「仮説を立てる」ということ。

先週はいくつかの「仮説を立ててそのテイクに臨む」勇気ある俳優たちに出会えた。
その姿は、若手であれ第一人者であれ、僕には輝いて見えました。
今週も来週も、たくさんの「仮説を立てて臨む勇気ある俳優」に出会いたいものです。

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by blancbecbbkyamada | 2017-05-29 22:41

演劇活動(主に俳優仕事とワークショップ仕事)に関するブログです。今とこれから(あとたまに甘い過去)について、不定期に更新します。


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